「やる気」に頼らない目標達成法

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。

第4位にランクインしたのは『目標を「達成できる人」と「できない人」の習慣』でした。

嶋津良智『目標を「達成できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)
嶋津良智『目標を「達成できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)

著者は、IT系ベンチャー企業を経て、28歳で独立後、M&Aを通じて企業を52億円規模へと成長させ、仲間とともに株式上場を実現した嶋津良智さん。本書では、自身の経験をもとに、目標を「達成できる人」と「できない人」の違いをわかりやすく解説しています。

なかでも嶋津さんが最も重要だと説くのが、「自分との約束を守ること」です。本書には、「目標を達成できる人は自分との約束を守る。できない人は自分に嘘をつく」という印象的な言葉が登場します。

人はもともと楽なほうへ流されやすい生き物です。そのため、目標を達成する人は、やる気に頼るのではなく、「どんなに小さくても行動を止めない」という習慣を身につけています。

例えば、「資格取得のために毎日1時間勉強する」と決めていても、どうしても気が乗らない日はあるでしょう。そんな日は、机に向かって1問だけ解いてみる。それだけでも「今日は何もしなかった」という状態を避けられ、自分との約束を守れたという感覚が、翌日の行動につながっていくといいます。

本書では、考え方、目標設定、行動計画、タイムマネジメントなどのテーマごとに、「達成できる人」と「できない人」の習慣を対比しながら紹介しています。目標を立てても三日坊主で終わってしまう――そんな悩みを抱える人に、行動を継続するためのヒントを与えてくれる一冊です。

一流の「部下」への接し方

第9位にランクインしたのは、『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』でした。

ピョートル・フェリクス・グジバチ『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』(クロスメディア・パブリッシング)
ピョートル・フェリクス・グジバチ『世界の一流は「部下」に何を教えているのか』(クロスメディア・パブリッシング)

著者は、Googleで人材開発や組織改革、リーダーシップマネジメントに携わった後に独立し、ベストセラー『世界の一流は「雑談」で何をしているのか』でも知られるピョートル・フェリクス・グジバチさん。本書では、世界の一流が実践するマネジメントの考え方が紹介されています。

なかでも注目したいのが、部下のやる気を引き出すためのアプローチです。著者によれば、一流の上司は、仕事の進め方を細かく教える前に、まず「その仕事が全体の中でどんな意味を持つのか」というビッグピクチャーを共有します。ゴールが明確になることで、部下は自ら複数のアプローチを考え、主体的に行動できるようになるのです。

さらに重要なのが、仕事の「意味」を伝えること。人は、自分の仕事に納得できる意味を見いだせないと、疲労やストレスを感じやすくなります。「それが君の仕事だから」と突き放すだけでは、仕事は単なる作業になってしまうと著者は指摘します。

本書にはこのほかにも、部下の成長を促す関わり方や、心理的安全性の高いチームづくり、信頼関係を築くフィードバックの技術など、実践的な知見が数多く盛り込まれています。部下を動かすのではなく、自ら動く人材を育てたい――そんなマネジャーにおすすめの一冊です。