※本稿は、田所俊作『分かり合えない人をうまくかわす技術』(KADOKAWA)の一部を抜粋・再編集したものです。
「話し合えば分かり合える」には限界がある
私たちは幼い頃から「話し合えば分かり合える」「誠意を持てば伝わる」という美徳を教えられて育ちます。
そのため、対人関係で理不尽な対応をされたとき、多くの人は「自分の伝え方が悪かったのではないか」「もっと配慮できたのではないか」と自分を省み、さらに努力を重ねようとします。
しかし現実には、どれほど誠実に関わっても、決して良好なコミュニケーションが成立しない相手が存在します。世の中には、他者の気持ちや境界線をうまく受け取れない人が一定数いるからです。
丁寧に伝えても無視されたり、ねじ曲げられたり、逆にこちらを責める材料として使われてしまうことすらあります。
ここで大切なのは、「意思疎通がうまくいかない原因を、あなたの伝え方の問題だけにしない」ということです。
もちろん工夫が役立つ場面もありますが、何度も誠実に向き合っても通じないのであれば、それは相手の認知や防衛のあり方が大きくアンバランスである可能性が高いです。
つまりそれは、あなた一人で解決できる問題ではないのです。
「分かり合えない人」5つのタイプ
不条理な人間関係に悩む誠実な人ほど、次のような思考の罠に陥りがちです。
「もっと分かりやすく伝えれば、いつか変わってくれるかもしれない」
「この人は難しい人だから、波風を立てないために私が合わせるしかない」
そう考えてさらに努力を重ねることは、一見忍耐強い対応に見えますが、実は非常に危険です。この方向に進むほど、今までと同じ苦しいループに戻るだけだからです。
相手の問題をなんとかしようとしたり、変えられない分を自分が耐えようとすることは、結果として自分の境界線を自ら壊し続けることに他なりません。
ここで、世の中にいる「分かり合えない人たち」の代表的な5つのパターンを紹介します。
①感情爆発タイプ
②支配タイプ
③被害者ポジションタイプ
④依存タイプ
⑤現実回避タイプ
彼らに共通している本質は、あなたの気持ちや限界を超えて、あなたの「境界線(バウンダリー)」の内側に土足で踏み込んでくるという点です。
したがって、問題の本質は「分かり合えないこと」そのものではなく、「あなたの境界線が全く尊重されていない関係性にあること」にあります。

