受験における「天王山」とも呼ばれる夏休み。中学受験を控える家庭では、家庭学習にも量をこなそうと一層熱の入る時期だ。しかし、『中学入試 計算のスペシャルルール』(かんき出版)を書いた京大卒の中学受験講師・迫田学さんは「多くの家庭で推奨されている『算数ドリルを一通り解いて、丸付けをし、間違えた問題だけをあとからやり直す』という勉強法をこの時期に続けていると、秋以降に悲劇を招く」という――。
演習帳に鉛筆で回答を書き込もうとしているちいさな手
写真=iStock.com/Jeanne Sager Photography
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夏休みに努力しても算数の成績がガタ落ち

中学受験を控える小学6年生の保護者にとって、夏休みは「とにかく勉強量を詰め込む期間」と認識されがちです。この長期休暇を前に、多くの保護者が焦燥感に駆られ、大手進学塾の分厚い夏期講習テキストを前に右往左往します。

特に、「応用問題の克服」「記述対策」といった、目に見えて配点が高く、華やかな学習課題ばかりに目を奪われがちです。

しかし、現場の指導者として、私は秋以降に起きる「最大の悲劇」を目撃してきました。夏休みにあれほど必死に応用問題を解き、夜遅くまで机に向かって限界まで努力していたはずの子が、9月以降の本格的な過去問演習に入った途端、急激に算数の成績をガタ落ちさせ、合格圏から遠ざかっていく姿です。

親御さんは慌てて「うちの子は応用力が足りないのだろうか」と表面的な原因を探しますが、断言しましょう。原因の9割はそこではありません。すべては「夏休みという最終納期(デッドライン)までに、計算をノーミス水準に仕上げられなかったこと」にあります。