わからないから「面白い」「知りたい」「やりたい」へ
0〜3歳の乳幼児期は「算数脳」を育む前提となる、脳の基礎を育む大切な時期です。
この時期に、親子の関わりで最も重要だと考えるのが「愛着形成」です。愛着とは「心理的な絆」のこと。「私は親に愛されていて、この世界は安全な場所だ」という意識をしっかり育むことが、その後、子どもの持つすべての力を伸ばす土台となります。愛着を形成するのに一番効くといわれるのが親子の会話。0歳からたくさん話しかけてやってください。
次に鍛えたいのが「国語力」です。算数脳を育むのに「国語力」が大事なの? と意外に思うかもしれませんが、算数や数学が得意な人で「国語が苦手」という人は少ないです。国語力こそが、将来的に論理的思考力を育む土台となります。国語力を育むのにおすすめの0〜3歳向けのアクションは、語彙の獲得に有効な「絵本の読み聞かせ」。生後半年から2歳半くらいまでは、特に母国語の獲得に良い時期とされていますので、ぜひたくさんの本に触れる機会を与えてほしいなと思います。
では、算数を好きにさせるには? 図鑑や自然遊びを通して「知的好奇心」を育むことが重要です。2歳くらいから、子どもは「自他の区別」(親と自分、まわりの人と自分など)ができるようになるといわれていて、自分以外のものに興味を持ち始めます。そこでしっかり知的好奇心を刺激してやることで、小学校で初めてのことを習った際にも「わからないからつまらない」ではなく「わからないから面白い。手間がかかっても知りたい、やりたい」という能動的な姿勢をつくることにつながります。
大前提として、私たちは模倣の力(まねすること)で多くの能力を獲得します。箸を持つ、言葉を話す、社会ルールを守るなど、子どもは親やきょうだいの様子を見てまねることで自然と必要なことを身につけていきます。研究によると、乳幼児は身体的な動作ばかりでなく、相手の感情も模倣することが明らかになっています。わかりやすく言うと、親が楽しそうにやっていることは、子どもも楽しくやれます。イヤそうに見えたことは、子どももイヤイヤするようになっていくということです。そのため、子どもの興味を広げたい場合には、親がそれを楽しむ姿を見せる、または一緒に楽しむことが何よりも効きます。
以上のように、乳幼児期は、脳の基礎をつくる「愛着形成」「国語力」「知的好奇心」の3本柱を特に意識して、子どもと接していただければと思います。
※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。


