なぜ朝からオリーブの丘は混むのか
現在60店舗ほどを展開するオリーブの丘。食べログなどの情報を参照すると最も古い店舗は東京都の保谷店で2011年にオープンしている。商業施設や駅前でもよく目にするサイゼリヤと違い、オリーブの丘は基本的に郊外への出店を重ねている。
筆者が訪れたのは新座片山店(埼玉県新座市)。国道254線沿いに、特徴的な赤い三角屋根とイタリア国旗色の店舗がある。店の駐車場は、午前9前にもかかわらず8~9割が埋まっており人気がうかがえる。
朝から多くの人がオリーブの丘を訪問する理由は、モーニングメニューにある。
昨今、何回目かのモーニングブームと呼ばれている。市場調査を行うサカーナ・ジャパンによれば、その市場規模は5347億円(2024年10月~2025年9月)。前年同期比で3.2%増、コロナ前との比較では24.5%も成長しており、各社が参入している。
外食チェーンの多くは「常時提供されている定番の食事(グランドメニュー)を比較的安く提供」というスタンスをとっているが、オリーブの丘のスタンスはちょっと異なる。具体的に見ていこう。
オリーブの丘のモーニングは土日祝(7時~10時)で、メニューには「カスクートサンド」「オープンカスクート」「パニーニ」「モーニングピッツァ」「パン・プディング」といった商品が並ぶ。
ここでしか食べられないメニュー
いずれもあまりチェーン店では目にしない馴染みの薄い食べ物が並んでいるのが、オリーブの丘のモーニングの特徴といえる。
パニーニとは、イタリア発祥のあたたかいサンドイッチである。オリーブの丘では、ゴマを使った香りのよいパンを使っているのが特徴だ。カスクートはフランス発祥で、フランスパンにハムやチーズなどを挟んだもの。パニーニとは異なり、基本的にはあたたかくなく常温で食べる。ピザも「マルゲリータ」といった見慣れたものではなく「ビスマルク風」となっている。
これにドリンクバーが付いており、ヨーグルトかサラダを選べる。もちろん単品での注文も可能だ。
特筆すべきは、これらのモーニングメニューはグランドメニューに存在せず朝限定であること。駅前・繁華街への出店と違ってロードサイドの出店が大半のオリーブの丘にとって「どこかに行くついで」のモーニング需要を掴むのは難しい。そこで、こうした「わざわざ食べに行きたい」ようなメニュー設計にしていると思われる。
その狙いは、価格にも表れている。ワンコイン未満の設定でモーニングを提供しているチェーンも多いのに対し、オリーブの丘ではモーニングセットの最安値はピザとカスクートサンド(コーン&マヨ)の539円(税込み、以下同)。ほうれん草やベーコン、チーズなどを挟んだスピナッチのパニーニやオープンカスクートは715円とワンコインには収まりきらない。とはいえ「高すぎる」とは感じない絶妙なラインで、日常のちょっとした贅沢で訪れる――といったシーンが思い浮かぶ。



