陰で私腹を肥やす悪徳理事長の手口

たとえば、自分が懇意にしている不動産業者にその情報を流して、マンションの売却を持ちかけてもらう。修繕積立金を滞納している住民はお金に困っていると考えられるから、売却に応じる可能性は高い。それで売却が成立すれば、不動産業者から理事長の懐にバックマージンが入る、という寸法だ。

また、修繕工事の発注先を決める際に、業者から謝礼を受け取るケースも後を絶たない。本来4000万円で済む工事を5000万円で発注し、差額の一部が謝礼として理事長の手に渡る。これを外部から確認する手段はほとんどない。小さな不正が見過ごされる環境では、やがて行為はエスカレートする。発見リスクの低さと金銭的誘因が重なることで、不正は構造的に拡大していく。

こうした問題が積み重なっていくと、管理組合は正常に機能しなくなっていく。理事会が仲間内で固まり、住民の意見が届かない。修繕の判断も発注も不透明なまま進む。そうしたずさんな管理が続いた結果、管理会社から「契約を更新しない」と言われることがある。