「気取らない服装」「酒の席に出ない」「SNSやっていない」

「まずは特徴のない服装であることはいえると思います。たとえば、胸にデカデカとブランドロゴが載った主張の強い洋服を着ていることは、あまりないように思います。これには理由があると思っています。金持ちを対象にしたときに、金持ちから疎まれやすい服装、いかにもな金持ちっぽさを漂わせると胡散臭さが出るからではないか。

ちょうど、SNSの普及とともに『本当の金持ちは下品にブランドを見せびらかさない』みたいな言説が広まってくれたことも、追い風になってしまっていると思います。詐欺師側からすると単にブランド物を購入できないだけだったりもするのですが、無地のTシャツを着ているだけで勝手に金持ちだと周りが思ってくれるのはあります。

それから、お酒の席に積極的な詐欺師は少ないと思います。詐欺師は常に気を張っているため、酔えないものです。したがって、酒の席にいたとしても本当にわずかしか飲まない人が多いように感じます」

そして、SNSとの距離感についても、詐欺師を見分けるためのリトマス試験紙になるのではないかとA氏は指摘する。

「やたら『SNSをやっていない』ことを強調する人は、結構怪しいのではないかと個人的には見ています。現代社会において、組織ではなく個人でも自由に動けて情報も入手できるという恩恵があるのに、それをまったくやっていないと公言するのは、不自然です。SNSをやるメリットよりも、アカウントを見られて行動の矛盾がバレるデメリットのほうが大きいからではないかと考えてしまいます」

「交友関係が広くない人」が狙われる

詐欺師は多くの“獲物”のなかから、最適解を素早く弾き出して騙しにかかる。だとすれば、詐欺師の側からみて「旨味が少ない」と思われることが最大の防御策ではないか。この点について、A氏はこんな話を聞かせてくれた。

「詐欺師は交友関係が広くない人を狙います。なるべくひとりで、相談する相手が少ない人です。したがって、陽気な人は、詐欺師からすれば不適格です。くわえて、人付き合いが多い人は飲食代などの交際費が多く、そもそもあまりお金を持っていないことが往々にしてあります。

それとも関連しますが、出会ってすぐに自己開示をたくさんしてくる人は、こっち側から『やめておこう』となります。

少しややこしい話なのですが、騙されやすい人を狙いに行くのは定石であるものの、あまりにも世間一般の言説をそのまま信じ込んでいる人は、逆に騙しづらいんです。『この前テレビで言ってた』『YouTuberがこんなの紹介してたよ』というように、定説を疑わない人は投資などにも食指を動かしません。そういう価値観の人は、『汗水垂らして働くのがいい』と思っている可能性が高いからです。投資詐欺は、ある意味では裏技を求めている人との相性がいいとも言えます。そもそも投資に興味を持たない人は騙しにくい、騙されないですよね」

詐欺師は“交友関係が広くなさそうな人”を狙っていると話した
撮影=プレジデントオンライン編集部
詐欺師は“交友関係が広くなさそうな人”を狙っていると話した