31年ぶりの政策金利1%――。そんな見出しが躍っている。為替やローン、そしてあなたの資産はどうなるのか? ニュースの正しい読み解き方を、ベテランFPと運用のプロに聞いた。
【Q2】そもそも日銀は何のために金利を上げるのか?
円を保有する魅力を高める必要がある
【福室】日銀の金融政策の目的は「物価の安定を通じて経済の発展に資する」こととされています。景気が過熱してインフレが進みすぎているとき、日銀は金利を上げ、過剰な借り入れや投資を抑制することで経済を冷ますのです。
福室光生(ふくむろ・みつお)レオス・キャピタルワークス債券戦略部長。CSファーストボストン証券、JPモルガン証券、UBS証券などを経て2020年より現職。グローバル債券ファンドの運用を担当している。マーケット業務歴30年。
しかし、いま金利を上げる真の目的は「円を守ること」だと私は考えています。極端な円安が進むと、通貨の信認が失われます。それを防ぐために金利を上げ、円を保有する魅力を高めるのです。本来、為替は財務省や政府の管轄とされていますが、金利と為替は車の両輪のような関係。日銀は金融政策の決定にあたって、景気や物価に大きく関わる為替の問題も考慮せざるをえません。
資産を守るという観点からしても、金利(利回り)はインフレ率と「同等」か「それ以上」であることが望ましいといえます。多くの国では、毎年2%程度の物価上昇を目標にしています。日本はガソリン補助金などの影響で、表面的な消費者物価指数(CPI)の数字は低めに出ていますが、日銀が言う「基調的な物価」の上昇率は2%ほどです。これに対して、いまの短期金利は低すぎるといえます。事実、普通預金の金利はまだ0.3%程度。もし物価上昇率が3%になれば、実質金利はマイナス2.7%です。銀行にお金を預けていても、毎年2.7%ずつ購買力が目減りしてしまいます。
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(構成=向山 勇 撮影=大崎えりや(福室氏))


