ワタミが2024年10月に買収したサブウェイの既存店売上高が、67カ月連続で前年を上回っている。一番大きな変化は、セルフレジの導入を加速させたことだ。「サブウェイらしさ」とも言える口頭注文からの刷新は、業績にどう表れたのか。ワタミ会長 兼 社長CEOの渡邉美樹氏に取材した――。(後編)
ワタミ会長兼社長CEO 渡邉美樹氏
撮影=西田香織
ワタミ会長兼社長CEO 渡邉美樹氏

「ワタミ式改革」で売り上げ7倍に急成長

ワタミが2024年10月、日本法人を買収して新たに展開を開始したのがサブウェイだ。既存店売上高が67カ月連続で前年比を上回っており、買収の効果が表れている。また2025年4月に初のモデル店舗「サブウェイ ヨコハマベイサイド本店」オープンを皮切りに、年内に38店舗を新規出店している。

サブウェイ ヨコハマベイサイド本店
写真提供=ワタミ
サブウェイ ヨコハマベイサイド本店

先行投資段階でいまだ黒字転換はしていないものの、2025年度の売上高は27億円で前年度の3億9000万円を大きく上回った。

ワタミはコーヒーのブラッシュアップや、店舗で焼き上げるベイクドクッキーなど、新機軸を打ち出して新しくなったサブウェイをアピール。また客の目からみてとくに変化を感じさせたのがセルフレジの導入だ。

パンの種類や具材、ドレッシングなどを客の好みで選べる、カスタム注文がサブウェイの大きな特徴。しかしこれまでは、客が口頭でオーダーを伝えながら、サンドイッチを作ってもらう方式だった。セルフレジ化が業績の変化にどう影響しているのか、気になるところ。こちらについても後ほど詳しく解説していく。

500店舗→170店舗まで減少していた

まずは、かつて居酒屋を主要な事業とし、今は宅食や農業など多角化へ舵を切っているワタミがサブウェイを展開するに至った背景から見ていこう。

サブウェイは世界100以上の国・地域で約3万7000店舗展開と、マクドナルドにも匹敵するファストフードチェーン。日本では1991年にサントリーホールディングスの子会社である日本サブウェイが事業を担い、かつては500店舗近くまで展開を広げた。2018年にはサントリーから離れ、アメリカのサブウェイが直接運営するようになったが、2020年には店舗数が約170店舗まで減少。

ただしコロナ禍のテイクアウト需要から業績も上向き、約180店舗に復活してきていた。そんな折の2024年10月25日、ワタミはサンドイッチチェーンのSUBWAY(サブウェイ)とマスターフランチャイズ契約を締結。同時に、日本法人である日本サブウェイを買収した。