5月11日の参院決算委員会では「私自身も秘書も面識のない方だ」「私自身の流儀だが、自身の政策を訴えることはあっても、対立候補の人格攻撃をしたことはない。週刊誌を信じるか、秘書を信じるか、と言われれば、私は秘書を信じる」と見えを切った。
当の松井氏が18日のYouTube番組に登場し、木下氏とは直接会わず、オンライン(Zoom)会議で打ち合わせたと明かした。首相は翌19日、記者団に「私自身も秘書もお会いしたことのない方だ」と、微妙に表現を替えた。
5月28日の参院厚生労働委員会では、立憲民主党の石橋通宏氏が週刊文春報道を基に木下秘書と松井氏のオンラインでのやり取りを質すと、首相は「事務所のパソコンの記録を(第三者の職員に)確認させた。該当する記録はなかった」と説明したうえで、「ないものはないと言うほかなく、確認できないことを私自身が証明できない限り、まるであったかのように印象付けられるというのは、大変心外だ」「週刊誌の記事が証拠と言えるのか」と不快感を露わにした。
「何で有料会員にならないといけないか」
6月3日、文春(電子版)が木下氏と松井氏のオンライン会議(25年12月)での音声を有料会員向けに公開した。翌4日の衆院予算委員会で、中道改革連合の伊佐進一氏が質問通告したうえで、音声の確認を求めたところ、高市首相はこう強弁した。
「質問内容を見たのが4日午前3時半ぐらいだった。有料部分だったので、今朝までに確認できなかった。私が知らない方の言い分ばかりをセンセーショナルに報道してきたところの有料会員になれ、ということであれば拒否する」
論点ずらしだ。伊佐氏は有料会員になることを首相に求めたわけではない。首相の公設秘書にかかわる情報確認を求めただけだ。
あす、予算委員会で、
— いさ進一 衆議院議員 (@isashinichi) June 3, 2026
総理に質問します。 https://t.co/cgCYdPiutu
首相官邸には内閣情報官らを通じてメディアの情報は公開・非公開を問わず、刻々届けられている。それを国会対応に生かさない不自然さを覚えざるを得ない。官邸内のコミュニケーションがそれだけ取れていない証左なのだろうか。
首相は6月5日の参院予算委員会で、オンライン会議の音声を4日夜に聴いたとし、「秘書本人かどうか判断するのは難しい」「私と会話している時よりかなり高い声で、はきはきとしゃべっていたので、違和感があった」と述べ、確認を回避した。
首相は「4日夜中から(木下氏に)数回電話をした。今朝方、ようやくつかまった」「音声の確認を本人に聞いたら、『何で私が有料会員にならないといけないのか』とキレられましたよ」とも語った。
文春は5日夜、音声を無料公開し、誰でもアクセスできる状態になった。
