「肩の老化が始まっている」4つのサイン
さらに、背筋には背中をシャキッと伸ばし、よい姿勢を保つという役割もあります。背骨そのものに大きな問題がなければ、背中が丸くなる原因の多くは、筋力の低下です。
背筋が弱る→体をまっすぐ保てなくなる→腕の重みが前方にかかる→肩も前に倒れていく。こうして、肩から始まった老いが、全身へ広がっていきます。
この状態を放っておくと、「肩が前に倒れた姿勢」「首~頭が前に出た姿勢」が体に記憶されてしまいます。その結果、肩・首・背中まわりの筋肉や腱、靭帯が硬くなり、関節の動く範囲(可動域)が狭まっていくのです。
肩の老化度は、次のような症状があるかどうかでわかります。
□ 肩や首、背中に張りや痛み、違和感がある
□ 後ろを振り向きにくい
□ 首を後ろに倒して天井(真上)を見上げられない
特別な病気などがない場合、このような症状は、肩から始まる姿勢の崩れによるものです。当てはまるものがあれば、すでに肩の老化が始まっているサインです。そして、この状態こそが、転倒しやすい体への入り口なのです。
「ひざの曲がり」は無意識の帳尻合わせ
ここまで、老いが肩から始まり、全身のバランスを崩し、転倒へつながっていく流れをお話ししてきました。では、これほど明確な変化が起きているにもかかわらず、なぜ多くの人は「自分の老い」に気づけないのでしょうか。
肩が前に倒れ、首~頭が前に出て、背中が丸くなる。この姿勢は、一見すると「ラクそう」に見えますが、実はとても不安定です。姿勢よく立っている状態と比べると、重心は前方に偏り、そのままではバランスを保ちにくくなります。
そこで人は、無意識のうちに帳尻を合わせようとします。重心を後ろへかけ、倒れないようにするのです。するとどうなるか……。
○骨盤が後ろに倒れる
○背中がいっそう丸まる
○股関節に余計な負担がかかる
○バランスを取るために、ひざまで曲がってくる
こうして、体全体で「崩れた姿勢」を支えるようになります。このバランス調整は意識していない状態で行われるので、自分が「そうなっていること」に気がつくことができないのです。

