政府の対応が「時代遅れ」になるリスク
「そうは言っても、日本ですぐにクビになることはないだろう」と考える人も少なくないと思います。
AIが仕事を奪う時代に備え、政府による大規模な雇用支援をセーフティネットにしようという期待すらあります。失業給付の拡充、職業訓練の無償化、再就職支援の強化。
理論上は心強い政策です。しかし現状では、これらが十分に機能する保証はありません。
最大の問題は「速度」と「規模」のミスマッチです。
AIによる雇用破壊は指数関数的に進む一方、政府の政策立案・実行は線形的にしか進みません。さらに、AI時代に必要なスキルは急速に変化するため、政府が用意する職業訓練プログラムが「時代遅れ」になるリスクのほうが高いのです。
問題は、AIによる雇用の激変が「今」進行している一方で、それに対する政府の実効的支援が「将来」の検討課題に留まっている点です。
国や会社に期待すると損をする
マッキンゼーの調査では、2030年までに世界で最大8億人の労働者が、AIなどによる自動化の影響を受ける可能性があると予測されています。
一方で、日本政府の「AI戦略会議」が具体的な雇用対策を打ち出すのは2026年以降とされ、実際の支援開始はさらに先です。このタイムラグは、AI失業の波に政府支援が到底間に合わないことを示しています。
さらに厳しいのは、たとえ政府支援が始まっても、その恩恵を受けられるのは一部の人だけという現実です。年齢制限、失業期間の条件、地域格差などにより、多くの人が支援の対象から漏れる可能性があるのです。
結局、頼れるのは自分自身です。
政府による救済を当てにする余裕はありません。だからこそ自己防衛が必要なのです。AIは脅威であると同時に強力な武器でもあります。
政府の支援を待つのではなく、AIを活用して自らのスキルと生産性を高め、AIに代替されない価値を創出できる人材になること。これこそ、AI時代を生き抜く生存戦略と言えるでしょう。


