破綻しないが減る可能性はある
「年金制度は破綻するのか?」という質問がよくあります。少子高齢化で将来を支える子供の人数が激減しているのに、高齢者は増えていますので、心配になる方もいらっしゃるでしょう。
結論からいうと、年金制度は破綻することはありません。なぜなら、日本の年金制度は、原則、現役世代が支払った保険料から、年金受給者に年金を支給するという「賦課方式」を採用しているからです。
民間の積み立て保険のように、自分が支払った保険料が将来戻ってくるわけではなく、今、現役世代が支払った保険料が支給されます。
少子化で現役世代の人数が減りますがゼロにはなりませんので、支給される年金もゼロになることはなく年金制度は破綻しないのです。
とはいえ、もらえる年金の金額が将来減る可能性は十分にあります。
65歳で年金をもらい始める時点の年金額の現役世代の手取りに対する割合を「所得代替率」といいます。
2024年度の所得代替率は61.2%ですが、今後、少しずつ減っていく予定です。政府は、最終的には50%は確保する方針としています。
「2058年に年金が底をつく」最悪シナリオ
年金はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によって運用されており、2025年3月末時点で約250兆円(国民年金分12兆円、厚生年金分238兆円)あります。
今後、現役世代からの保険料収入が減っても、この積立金を取り崩すことで、支給額を確保できるからです。
しかし、経済が1人当たりゼロ成長となり出生率が低位となる最悪のケースでは、2058年に国民年金分の積立金が底をつき、2059年に所得代替率が35%程度に落ちる可能性があります。
しかも、少子化は政府が予測する低位より低い状況で進んでおり、今後、もっと早い段階で積立金が底を尽きる可能性も出てきます。
個人的にできる対策としては、年金にすべてを頼るのではなく、自分で老後資金を準備しておくことでしょう。
これから老後になられる方も、すでに老後の方も、2024年度から拡大された新NISAなどの非課税制度をうまく活用しながら、自分の資産を増やしていくことをオススメします。


