敵になるのは「やらされ感」

「読書を習慣にしたい」「英語を毎日勉強したい」「運動を日課にしたい」――そう思っているのに、なかなか続かない。どうしてもやる気が出ない。

そんなとき、ひとつ確認してほしいことがあります。

それは、本当に自分が望んでいることですか?

「本を読んだほうがいい、と上司に言われたから」 「英語ができないと将来困る、と親に言われたから」 「健康診断で、医者に運動をすすめられたから」

こうした「外から与えられた動機」ではじめた習慣は、統計的に見て継続率が著しく低いそうです。心理学ではこれを「外発的動機」と呼び、自分の内側から湧き上がる「内発的動機」と明確に区別しています。

なぜ外発的動機では続かないかというと、心理的に「時間を奪われている」という感覚が生じるからです。やらされ感がある。だから無意識のうちに、サボる理由を探してします。「今日は忙しかったから」「明日は絶対やるから」と、自分を正当化するストーリーを紡ぎ始めるのです。

オフィスで働く中年ビジネスマン
写真=iStock.com/pain au chocolat
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・上司や先輩、社長などの目上の人から「仕事に必要だからやれ」と言われること →外発的動機
・自分の内側から「これをしたい!」と思えること →内発的動機

「外発的動機」は「内発的動機」に翻訳できる

誰かの「やりたい」だけで生み出されたものには、価値がほとんどありません。誰かのニーズが置き去りになった独りよがりなものが生まれやすいからです。

資本主義経済では、他者や社会にとって価値のあるものを生み出す。つまり他人や社会に貢献することによって自分の価値が高まり、結果として経済的にも精神的にも豊かさを受け取ることができる仕組みになっています。

つまり、内発的動機と外発的動機をうまく掛け合わせることによって、独りよがりではなく本当に価値のある生き方ができるようになるわけです。

ただ、外発的動機だけでは僕たちはなかなか行動を変えることができません。

では、外発的動機しかない場合、どうすればいいのか。

答えは、それを内発的動機に「翻訳」することです。

翻訳のカギは、感情です。

「やれ」と言われただけでは動かない。でも「それをやった先に、自分が手に入れたい感情がある」と気づいた瞬間、人は勝手に動き出します。

僕の話をしましょう。実は僕、子どもの頃からディズニーランドに興味がありませんでした。「お金を払ってまで行きたくない」と本気で思っていた。

ところがある時期、気になっていた女性がディズニー好きだったんです。新しくオープンするエリアや限定グッズの話題で盛り上がれたら距離が縮まる。

「今度一緒に行こうよ」と自然に誘える口実にもなる。そう気づいた瞬間、翌週にはチケットを買っていました。「行くな」と言われても行ったと思います。