主観に事実を掛け算できるか
ここで役立つのが、「主観 ↔ 客観」×「事実 ↔ 感情」の見えない2軸図です。
この2本の線を頭のなかに引くだけで、情報は4つに分けられます。
・主観 × 事実:「意見」
事実をどう解釈し、どう判断したか。「私はこう考える」という話です。
・主観 × 感情:「感想」
自分がどう感じたか。「面白い」「不安」「好き嫌い」といった話です。
・客観 × 事実:「記録」
誰が見ても同じ内容。記事の要点、数字、書かれていた事実です。
・客観 × 感情:「空気」
個人ではなく、場や世の中の雰囲気。「こういう流れだよね」という話です。
冒頭の私のチャット返信を、この2軸で見てみましょう。
「とても参考になりました。最近の研修ってユニークですね」
これは、主観×感情、つまり「感想」の位置にあります。
間違ってはいません。
でも、遠藤先輩が求めていたのは、主観 × 事実=意見でした。
たとえば、私のチャットが次のようになっていれば、それは立派な意見です。
「若手向け研修が体験型にシフトしてますね。知識よりも行動変容が重視されていると感じました。だから、今後は研修の評価指標も変わりそうですね」
ここで誤解しないでください。感想が悪いわけではありません。
感想は、会話の入り口としてとても大切です。問題なのは、感想で止まってしまうことです。話の構造さえあれば、感想は、意見への踏み台になります。
頼みごとを断れないのは性格の問題ではない
私は子どもの頃から、断れない性格でした。
何かを頼まれると、つい「はい」と言ってしまう。
「ちょっとだけだから」「急ぎだから助けてほしい」
そんな言葉に弱く、気づけば、なんでも引き受けていました。
最初は、悪い気はしません。頼られている感じすらします。
でも、その「はい」は、確実に私への重りとなって積み重なっていきました。
気づけば、残業まみれ。本来やるべき自分の仕事は後回し。
しまいには、本来の自分の仕事の質まで下がり始めました。
「なんでこんなに忙しいんだろう」
原因ははっきりしていました。余計な仕事を断れていないのです。
当時の私は、「断れないのは性格の問題だ」と思っていました。
でも、そうではありませんでした。
断れない理由は逆に「何を受けるか」の基準がないことです。

