信仰によって育まれた人生哲学

こうして家康は、信仰と忠義とのあいだで揺れ動く家臣らを説得し、武士団の再統合を果たしたといわれています。目先のことではなく、この世とあの世の主というロジックで部下をまとめ上げた家康公はすごいというほかないのですが、これもひとえに、公の黒本尊への信仰・帰依によって育まれた人生哲学だったのでしょう。

なお、黒本尊との絶好の結縁けちえん(前回記事「なぜ東京の超一等地に「最恐の怨霊」がいるのか…徳川家康を天下人に導いた"日本史上最強の武神"の正体」参照)のタイミングは、1月、5月、9月(正五九)の各15日。この年3日のみ、秘仏・黒本尊が御開帳になり、「黒本尊祈願会」が修されます。この機会に勝運、厄除け、商売繁盛、家内安全などの祈願の申し込みをするのが、黒本尊と出会う最大のチャンスといえそうです。

ちなみに、増上寺で頒布されている黒本尊の“端末”(御札や御守)には、「正五九」の祈願会のときに申し込みができる「特別祈祷の御札」をはじめ、「勝運御札」(紙札)、「勝運御守」(各種あり)などがあります。ぜひ大本山増上寺公式サイトでご確認されたし、なのです。

DATA:
三縁山広度院 増上寺
【宗旨・寺格】浄土宗 大本山
【本尊】阿弥陀如来・南無阿弥陀仏
【宝物・文化財】
木造阿弥陀如来坐像(伝室町時代、都指定文化財。本堂に安置)
秘仏 本尊阿弥陀如来立像(黒本尊)(伝源信作。安国殿に安置)
紙本着色法然上人伝(国指定重要文化財)
ほか
【ご由緒】
明徳四年(1393年)、浄土宗第八祖酉誉聖聰ゆうよしょうそう上人によって、武蔵国豊島郷貝塚にて開山。天正十八年(1590年)、徳川家の菩提寺に。慶長三年(1598年)、現在の芝に移転。二代秀忠公、六代家宣公、七代家継公、九代家重公、十二代家慶公、十四代家茂公の、六人の将軍の墓所が設けられている。
【授与品】
「勝運黒本尊祈願札」、各種お守り(「勝運」「学業成就」「病気平癒」「旅行安全」ほか)など
【鎮座地/交通】
東京都港区芝公園4丁目7番35号
JR線、東京モノレール「浜松町」駅から徒歩10分。
都営地下鉄三田線「御成門」駅、「芝公園」駅から徒歩3分。
都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門」駅から徒歩5分、大江戸線「赤羽橋」駅から徒歩7分。
東京メトロ日比谷線「神谷町駅」から徒歩10分。
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