「資源大国」から「観光大国」へ
このようにドバイがさまざまな施策を実施してインフルエンサーを誘致してきたのにはいくつか理由があります。
まずあげられるのが観光の推進です。
UAEはほかの中東湾岸諸国同様、近年観光に力を入れてきました。資源が枯渇するのを見据えて、産業の多角化を進めてきたのです。
とくにドバイは都市そのものを「体験すること」を売りにしてきました。欧州のような城や貴族の館はありませんし、スイスのように山はなく、日本のような温泉もありません。アメリカとは売りにする文化が違います。そこで都市でラグジュアリーな体験、ちょっと変わった体験をすることを提供してきたのです。
その広報に重要だったのがインフルエンサーなのです。
ターゲット層は女性、家族連れ
ドバイ経済観光局は、世界各地の旅先を魅力的に見せる旅行系のコンテンツ制作会社「ビューティフル・デスティネーションズ」(Beautiful Destinations)と組んで「ビューティフル・デスティネーションズ・アカデミー、パワード・バイ・ドバイ」(Beautiful Destinations Academy, Powered by Dubai)を立ち上げ、「旅行コンテンツ制作の新しい基準」を作るとしています。
ただ待っているだけでは観光客は来ないため、国家として、自国の売りやイメージを、映像、物語、豪華さなどを全面に出してデジタル媒体で宣伝する仕組みを作ってきました。
これらの拡散にはインフルエンサーが重要です。
とくに女性や家族連れにアピールするために、「安全」「清潔」「豪華」「楽しい」「一年中行ける」というポイントを重要視してきました。狙っているSNSの使用者の多くは女性なので大変効果的です。
口コミの拡散なのでより信頼性が高く、親しみやすく、共感も得やすいわけです。2025年の政府発表でも安全都市評価や女性一人旅の安心感が強調されています。
ドバイがインフルエンサーを誘致してきた理由の2つめは、不動産市場の活性化のためです。

