目標は1万人のインフルエンサー誘致

さらに2025年には、ドバイでコンテンツクリエイターのための拠点+コミュニティである「クリエイターズHQ」(Creators HQ)が立ち上げられました。

UAE国営通信WAMによれば、この拠点は世界のクリエイターと業界関係者を集め、UAEをデジタルメディアの主要拠点にすることが目的です。公式発表では今後1万人のインフルエンサー誘致を目指すと明言されていました。ゴールデンビザ申請支援はもとより、移住、会社設立支援まで提供するとされています。

UAEの副大統領・首相であり、ドバイ首長でもあるシェイク・モハメド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム閣下は、UAEはこうした分野の「ハブであり、目的地であり続ける」と述べており、政府レベルかつ国家戦略の一部としてコンテンツ産業・インフルエンサーを重要視してきたのがわかります。

このようにドバイはクリエイターやインフルエンサー、メディア関係者が滞在しやすい仕組みになっているのです。

発信者・発信内容を厳しく管理している

いっぽうで、UAEのインフルエンサーは自由に発信できるわけでもありません。そこは国家戦略なので、ある程度の制限があります。

UAEのメディア分野の調整・規制を担う機関「UAEメディア・評議会」(UAE Media Council)によれば、SNSで広告・宣伝活動を行う個人には「広告許可」が必要で、これは報酬の有無にかかわらず対象になります。

許可の申請者は適切な行為を有し、有罪判決を受けていないことが求められます。さらに、掲載する広告コンテンツは、メディアコンテンツ基準に準拠しなければなりません。またUAEメディア評議会が主催する、「関連法令・規則・決定および適用される条件・管理に関する認識と遵守のための研修プログラム」の修了が必須条件です。

つまりUAEはインフルエンサーを呼び込むいっぽうで、その活動を明確に許認可の下に置いているのです。2026年からはこの規制運用がさらに強まっています。

日本も有事のリスクが高まり経済を活性化しなければなりませんが、UAEのこのようなコンテンツ戦略、インフルエンサー誘致からは大いに学ぶところがあるでしょう。