いつも「一緒に頑張ろう」と寄り添ってくれた
私が大学を卒業するタイミングで、母から卒業旅行をプレゼントしたいという提案があり、初めて母娘ふたりで旅をすることになりました。向かう先はヨーロッパ。親戚の家があったので、約1カ月、パリやローマでゆっくり過ごそうというものでした。母と私がこんなに長い間一緒にいるのは初めてのこと。親子水入らずの時間になるかと思いきや……なんとその正反対。ずっと一緒にいるのがこんなにもツラいことだとは思いもしなかったのです。
何が原因だったのかすら覚えていませんが、とにかく些細なことでケンカばかり。タクシーの中でもすごい剣幕でやり合って、運転手さんが凍りついてしまうほどでした。よく考えると血のつながった親子ではありますが、お互いに自立した人間同士。それも個性の強いふたりですから(笑)、波乱の道中になるのは必然だったのかもしれません。
リアルな旅はさておき、人生という名の旅においては、とても愛情深く、私の失敗や挑戦に寄り添ってくれる人でした。やりたいことや進みたい方向があれば、惜しみなく協力体制をとってくれました。記憶に残っているのは、「大丈夫」「なんとかなる」「一緒に頑張ろう」という言葉と姿勢。家族のなかでも母と私の絆は強く、お互い自立しながらもどこか“運命共同体”のような意識があったのだと思います。
幼少期はほとんど一緒に過ごすことができなかったのに、現在のように師弟関係を築きながら、一緒に仕事をするとは思ってもみなかったこと。随分と年が離れていると思って生きてきましたが、今は同じ時代をともに生きる者同士、「女性の真の美を追求し、個性を引き出す」という使命を掲げ、刺激し合えることに、心からの幸せを感じています。

