「認証」から「コミュニケーションツール」へ

「ねこずかん」を筆頭にオリジナル商品やライセンス商品を続々と生みだし、経営再建に臨む岡山さん。社長である父はどのように見ているのだろう。

「『なんでこんなもんが流行るんや』と首を傾げているようです。しかし、これからの時代に合った提案が必要なことは理解してくれていて、完全に私と業務を分け、口出しをせず、裁量権も与えてくれています。創業者として、経営者の先輩として、ずっと尊敬している人です」

2026年9月の決算をもって、父は会長へ、そして岡山さんが2代目の代表取締役社長に就任する予定だ。もうすぐ岡田商会の新たな時代が幕を開ける。

そんな岡山さんは現在、5匹の保護猫を飼っている。

「もう猫がいない生活をイメージできないほどになってしまいました。コタローと出会っていなかったら、今の私は存在しません。『猫の恩返しだ』と言われますが、恩返しすべきは私のほうです。ハンコを作る意味を考え、これからもハンコをつくっていく、それがコタローの恩に報いることだと考えています」

印鑑を巡る環境は、猫の目のように目まぐるしく変わっていく。決してよいことばかりではないだろう。それでも岡山さんはコタローの温もりのように、これからも人々の関係を温かくする印鑑をつくり続けたいと考えている。

コタローに思いを馳せ「これからも人々の関係を温かくする印鑑をつくり続けたい」と語った
写真提供=岡田商会
コタローに思いを馳せ「これからも人々の関係を温かくする印鑑をつくり続けたい」と語った
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