「お前、ハンコ屋なんて将来ないで」

病弱であまり外出できず、家で図鑑を読むのが楽しみという子どもだった岡山さん。忙しかった両親は子どもと遊ぶこともままならず、印鑑製造で出る端材を薄く切り、おもちゃとして与えていた。岡山さんはそれをおはじきにして遊び、間接的に印鑑にも慣れ親しんだという。

神戸大学に進学してすぐ、岡田商会でアルバイトを始めた。卒業後にそのまま親元へ就職することに抵抗はなかったが、ある日、同期の友人から言われたひとことが強烈に印象に残る。

「大学3年生の頃でした。友人に『俺、ハンコ屋を継ぐわ』と言ったら、真剣な表情で『お前、ハンコ屋なんて将来ないで』と心配されたんです」