一流は、素直だから一流になった
年収1500万円以上の2人に1人が「社外に知恵やヒントをもらえる人が複数いる」と回答しているのは、たとえ地位が上がっても学ぶ姿勢を失わない謙虚さの表れだと思う。フジゲンを世界一のギター会社に導いた横内祐一郎会長が「一流の人は皆、素直」と語っていたが、「素直だから一流になった」と言い換えることもできるだろう。
「季節の挨拶を欠かさない、お世話になった人や恩人がいる」人が、少しあてはまるを含め、26.7ポイントも差がついているのは、高年収者ほど人と人のつながりを重視しているからだろう。私は「心尽くしは時間尽くし」と言っているのだが、手紙を書いたり、贈り物を選ぶなど、相手のために時間を使うことが、相手に対する敬意につながる。「人間」という言葉に「間」という字が入っているのは、いかにコミュニケーションが大切であるかを表していると思う。
信心深さや感謝の心、善行に関する設問でも全体的に高年収者のほうが意識が高かった。ビジネスにおける判断に正解はない。つまり、自分で正解にしていくしかないということだ。
自分の判断に自信をもち、情熱をもってやり遂げていくためには、信念のようなものが必要になる。日頃から正しい行為を積み重ねていくことで、自らの信念をゆるぎのないものにしていくことができる。ひいてはそれがビジネスを推し進める力となり、人を動かす力になっていくのだと思う。
(構成=榑松ひとみ)