稼ぐ人の発想や考え方、行動の特性には、成功へのヒントがぎっしり詰まっている。アンケートにより、彼らの共通点を徹底解明。時間を味方につけ、人生を充実させるには、何が必要か。後半では、データを交えつつ、達人の哲学を紹介する。
調査概要/gooリサーチとプレジデント編集部の共同調査により、「時間とお金」に関するアンケートを、2011年11月15~17日の期間で実施。個人年収500万円台と1500万円以上のビジネスパーソン計613人の有効回答を得た。

「優先順位」の定義が異なっていないか

時間の使い方について語るとき、「優先順位」というのは頻繁に登場するキーワードの1つだろう。だが、この言葉には罠がある。

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1500万以上の4人に1人が人生でやりたいことにも優先順位をつけている

アンケートの結果を見てみよう。「優先順位に従って仕事を片づけている」と回答した人は「少しあてはまる」まで含めると、年収1500万円以上も500万円台も、ともに7割を超えており、大きな差は見られない。つまり、年収に関わりなく、多くの人が当たり前のように優先順位を意識して仕事をしているということだ。

ところが「優先順位」の中身には大きな差が見受けられる。「人生やプライベートでのやりたいことも優先順位づけしているか」という設問になると、年収1500万円以上の7割以上が「あてはまる」「少しあてはまる」と回答しているのに対して、年収500万円台では5割台にとどまり、その差が15ポイント近くも開いている。

この結果は何を意味しているのだろうか。おそらく「優先順位」の定義が異なっているのではないかと思う。

「人生でやりたいこと」とは、多くの場合、今すぐ手をつけなければならない緊急事項ではないだろう。だが、仕事で多忙を極めているはずの高年収者ほど、そのための時間を意識して生み出し、努力してスケジュール化している。

一般的に優先順位をつけるとき、人は緊急度と重要度の2軸で考える。その際、高年収者ほど「緊急ではない重要事項」を重視する傾向がこのアンケート結果から推測できるのだ。