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1500万以上は忙しくても「遊ぶ」時間をつくり、積極的にリフレッシュ

「半身浴や入浴剤などで、入浴時間を体調のメンテナンスに活用している」に「あてはまる」人が年収1500万円以上で500万円台に5倍近い差をつけているのも面白い。どうせ風呂には入るのだから、その時間を最大限活用しようという、極めてプラクティカルな発想が見えてくる。どうせ通勤するなら、1駅分歩こう。どうせランチはするのだから、人と会って情報を得よう。この「どうせなら思考」もあらゆるビジネスシーンで応用が利きそうだ。

夢やビジョンがエンジンで「やることリスト」がシャフトだとすると、心と体の健康が燃料にあたる。「週末は疲れていても積極的にリフレッシュするか」「落ち込んでも自分で元気な状態に戻せるか」の設問で、「少しあてはまる」まで含めると17ポイント以上の差が出ているのは、高年収者ほどメンタルの重要性を痛感しているからだと思う。

私は以前、エグゼクティブコーチを2年間ほどつけていたことがあるが、数多く出たテーマの1つがストレスマネジメントだった。ストレスが過剰になると、対人関係や意思決定に影響が出る。これが、経営者レベルであれば、与える影響も甚大だ。

ソフトバンクの孫正義社長は社長室にランニングマシンを置いているし、元ボクサーだったゼンショーHDの小川賢太郎会長兼社長の部屋にはサンドバッグがある。社長室を防音にして、大音量でオペラを流している社長もいると聞く。これは、社長の趣味や贅沢というよりも、ストレスをマネジメントするというリーダーの責務なのだと思う。

地位が上がれば上がるほど、仕事とプライベートは切り離せなくなる。ストレスマネジメントは中間管理職ぐらいから意図的に心がけたい仕事の1つだ。

私にも元気を取り戻すための3大趣味がある。毎朝のランニングとバンド活動と登山がそれである。人生の片道40年でやってみて気持ちよかったこと、やりたいと思ったことを3つに絞り、それを残りの人生で極めようと思ったのだ。