“ぶっ飛びぶり”は尊敬に値する

管野スガといえば、大逆事件で処刑された、明治の有名な社会主義運動家であり、日本の“女性テロリスト”の代表格ともされる人物である。

大逆事件は幸徳秋水ら多くの人物が無実の罪で処刑されたものだが、スガは違う。当時のヨーロッパでの爆弾で暗殺ブームに乗せられて、宮下太吉らと組んで明治天皇を暗殺しようと、本気で爆弾を製造していたほうだ。

そのスガ自身も洗礼を受けたプロテスタント信徒で、この時期「毎日電報」に記者として在籍していたことは確認されている。

つまり……自分を天使と信じて疑わない“暴走看護婦”と、天皇暗殺を本気で計画していた“暴走記者”が、向かい合って取材をしていた可能性がある。

二人の暴走ヒロインが共鳴しあって、こんなぶっ飛んだ記事になってしまったのか?

明治という時代は、つくづく底が知れない。

そして、史実の和を知って「この女性、最高じゃないか」と思っている男性(女性も)は、数限りないはずだ。看護だろうと爆弾だろうと、閉塞した2026年にぶっ飛んだ人間は、おおよそ尊敬に値するのだから。

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