大卒初任給はたった8万円
台湾においても若者世代の経済的困窮は深刻である。「22K世代」と呼ばれる若者世代の動向が特に注目される。これは大卒の初任給が2万2000台湾ドル(約8万円)であることに由来する名称で、台湾の若者世代の苦難な現実生活を反映している。
高等教育を受けても低賃金に甘んじなければならない現実は、若者の将来への不安を増大させている。台湾の若者世代は2000年以降の家計実質所得減少と不動産価格高騰という厳しい現実に直面している。
馬英九前政権が景気対策として財産税や所得税を引き下げ、不動産贈与税と相続税を50%から10%まで引き下げたことで、中国などから稼いだ人々が不動産に投資し、価格が高騰した。若者世代にとって両岸の経済交流は恩恵をもたらすどころか、被害を与える要因となっているのである。
不信と反発が渦巻く「香港返還」の実態
これらの経済的困窮は、単なる一時的な景気低迷ではなく、構造的な問題として若者世代を直撃している。
彼らは親世代が享受した経済成長の恩恵を受けることができず、むしろ中国との経済統合が進むほど、自分たちの生活条件が悪化していくという現実を体験している。これが、経済統合に対する根本的な不信と反発を生み出している要因となっている。
特に注目すべきは、この経済的困窮が高学歴の若者世代を直撃していることである。大学教育を受けても安定した職に就けない、住宅を購入できない、将来への展望を描けないという現実が、若者世代の政治的意識の急進化を促している。
彼らにとって中国との統合は、機会の拡大ではなく、むしろ機会の剥奪として認識されているのである。



