親中派だけが儲かる残酷な格差社会
中国政府が香港への関与政策を深化させるほど、香港の若者からの反中感情が急速に拡大している。香港独立を主張し、過激な行動を取る人々や集団も出現しており、香港独立を支持する若者の比率が最も高く、自分自身を「香港人である」とする認識も他の年齢層に比べて高い水準を維持している。この現象の背景には深刻な経済的要因が大きく影響している。
香港は中国への返還後、国内総生産(GDP)は2倍近く成長したが、社会の二極化現象がますます深刻化した。2016年の香港のジニ係数は46年ぶりに0.539という歴史的な最高値を記録した。
ジニ係数とは所得の格差が全くない状態を0、一人がすべての所得を独占している状態を1とした際の数値であり、一般的には0.5を超えるとかなり格差の大きい社会と見なされる。
例えば日本の2023年のジニ係数0.3825(税や社会保障による再分配の前は0.5855)と比較すると、香港の所得格差がいかに深刻か理解できる。中国との経済統合により親中企業や資本家は巨大な利益を得ているが、一般市民は完全に置き去りにされている状況なのだ。
香港は若者にとって夢も希望もない
特に深刻なのは不動産価格の異常な高騰である。北京オリンピック以後その傾向がさらに加速し、2018年には4倍以上まで上昇し、現在も15%のペースで上昇している。
九龍半島の11坪のアパートの価格が8000万円以上にまで上昇し、この地域の小型アパートは返還後から現在まで112.4%上昇した。若者が自分のアパートを購入することはほぼ不可能になっている。
若者の失業率の高さも中国と同様、香港の深刻な問題だ。2020年には大卒者が求める給料は最低金額を記録し、国内での就職可能性もほぼ絶望的になった。教育水準が高い若者であっても安定した職に就くことが困難になり、将来への希望を失う者が増加している。
香港の若者は不動産価格の高騰や就職難といった厳しい生活環境に対して、その最大の原因が中国にあると考えている。中国資本と大量の中国人が香港に押し寄せ、不動産価格を高騰させ、仕事を奪っていると認識しているのである。香港の若者にとって「香港の中国化」は就職難や失業を意味するだけでなく、中国特需からの疎外を意味している。

