感情を揺さぶった数々の“殺し文句”

「そりゃあ緊張しますよ。でも、そんな私を見てかわいそうだと思ってくださったのか、王さんのほうからいろいろと質問をしてくださいました。話を引き出すのが上手でしたね」

やがてビールが潤滑油となり、場の空気が和らぐと、瀬戸山は思い切って言葉をぶつけた。根本から、いくつかの“殺し文句”を託されていた。

「王さん、巨人にいらっしゃったら、長嶋さんがいる限りずっと次男のままです。ホークスの長男になってください」
「中内オーナーは、王さんのために福岡ドームを作ったんです。あそこで思う存分暴れてください」
「Jリーグに押されて、このままじゃ野球の人気低迷が止まりません。プロ野球人気を取り戻すには、20世紀中にON対決を実現するしかないんです」