「ゆっくり行けば、遠くへ行ける」

夕方のカフェ。仕事帰りの人たちが、笑いながら立ち話をしている。子どもたちが横でアイスを食べ、おじいちゃんが新聞を広げている。その光景を見ているだけで、「休むことは、ちゃんと生きることなんだ」と理解する。

乾祐綺『西の果てで見つけた ポルトガル人のほどよい生きかた』(クロスメディア・パブリッシング)
乾祐綺『西の果てで見つけた ポルトガル人のほどよい生きかた』(クロスメディア・パブリッシング)

ポルトガルには「Devagar se vai ao longe(デヴァガール・セ・ヴァイ・アオ・ロンジェ)」ということわざがある。直訳すると「ゆっくり行けば、遠くへ行ける」。

焦らないこと、急がないこと。それが、この国の生きかたの基本にある。日本にも「急がば回れ」と言う言葉があるが、最近ではそれとは真逆の「コスパ」や「タイパ」を追っているように見える。

日本が「どう速く進むか」を考える国なら、ポルトガルは「どう気持ちよく進むか」を考える国ではないだろうか。どちらがいいという話ではないけれど、つかれた心には、後者の方がやさしく響く。

「よく休む国=生産性が低い」ではない。休む設計があるから、続けられる――それがこの国の実像だ。

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