なぜ秋篠宮家を執拗に叩くのか

男系ルールで今日まで皇室が続いてきた事実は、時代に合わせて「変化しなかった」結果でもある。逆説的だが、論理的、物理的に継承が困難で“不安定な継承ルール”であったからこそ、その非代替性や希少性に権威が宿り、安定した持続性をもたらした。その権威を前提に、天皇や皇族が固有に持つ道徳心や人柄が重なり、国民から敬愛の念が湧く、というものだろう。

「一度、時代の要請に合わせてルールを改変してしまえば、次に時代が変わった際、またルールを変えて、そしてその次……。皇室を伝統や権威とする根拠は徐々に弱くなっていくでしょう。そうなった時、国民はもちろん、国際社会を含めた皇室制度を見る目が、126代の歴史とされる男系継承で続いたこれまでの天皇と比べて、同様の価値を持った存在として扱われる保証はどこにもないのです」

さらに、「愛子天皇待望論」の背後にある政治的な影についても触れたい。愛子天皇待望論の一方で、秋篠宮家への同時進行的な批判の論調には妙な“違和感”がつきまとう。施教授がいう。

「芸能人や政治家と違い、代替が効かない次の天皇一家を国民の立場でなぜそこまで批判するのか。私は常々、疑問に感じていました。振り返れば平成時代は、現天皇家が東宮家時代に執拗な批判にさらされ、逆に秋篠宮が持ち上げられていた。次世代の皇位継承者に対する不自然な批判は過去にもあったのです」

宮邸で過ごす秋篠宮ご一家(2020年11月)
秋篠宮ご一家(2020年11月)(写真=外務省/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

愛子天皇を推進する「左派」の意図

皇室は、菊のカーテンに包まれたその特質上、例え理不尽な批判であっても、内外から証拠を持って反論するのは難しく、無防備に等しい。それだけに、皇室に対する願望や批判の裏側に、なんらかの別の目的のための「偏った論調」の可能性に対しては、別の角度から仮説を持って反論を提示しておくことは重要だ。

男系ルールを持ち出すまでもなく、少なくとも皇室典範において正当な皇位継承者である悠仁親王を否定し、伝統的な継承ルールを変更してまで「愛子天皇」を推進する論調はやはり不自然だ。

愛子内親王を支持する国民の声は純粋な敬愛の情がほとんどだろう。しかし、「愛子天皇」の旗を積極的に振っている人間の一部には不穏な背景も見え隠れする。

「愛子天皇」を主張する識者の中には、そもそも皇室制度自体に否定的な左派色が強い人も散見される。SNS上で執拗に「愛子天皇」や女性・女系天皇を推進するアカウントも同様だ。筆者が数十のアカウントをサンプリングして確認したところ、かつて皇室制度自体を否定していた政党や、左派色が強い政治家に好意的な投稿が多く見られた。