ヤメNHKの失敗パターン

成功例の逆が今ひとつパッとしないケースだ。期待されたほどレギュラーが続かない、あるいは「NHK時代のほうが輝いていた」と言われる人々には共通点がある。

まず大きいのは「原稿ありき」から脱却できないケースである。

知り合いのヤメNHKアナに聞いた話が典型的だ。

NHKの番組台本は、精緻に作り込まれ時間の管理も秒単位で厳格な場合が多い。例えば「紅白」の台本が分厚いのは有名だ。ところが彼が民放で渡された台本はペラペラで、しかも「以下2分、笑いよろしく~」とだけ書かれていたという。NHKではあり得ない指示だ。

要は民放では「タレントの暴走」や「現場のハプニング」が前提の構成なのである。それらにアドリブを交えて柔軟に対応し、笑いなど喜怒哀楽に変換する能力が求められる。そのためには人間的長所に加え意外な一面を開示する対応が求められる。それらに欠けるヤメNHKアナが短期間に消えていったのである。

浮上の鍵は……

和久田麻由子アナの「追跡取材news LOG」は、残念ながら惨敗だった。

日本テレビタワー
写真=iStock.com/tupungato
※写真はイメージです

視聴率などの数字以外に、実際に見た人々の声が雄弁に物語っている。

「個人的な結論としては“期待外れ”かつ“極めて長く感じた”」
「“さすがの安定感”だが“(和久田アナの)良さが出ていない」
「(有働・武田番組と比べ)和久田さん感が薄い」

SNSの声には、失望を隠せないものが少なくない。

中には「1年持つかな」「もう見なくていいや」など、厳しい意見も散見された。

演出陣の問題も大きい。

「番組の密度が低い印象。個人的に情報量の多さを求めるので物足りない」
「記者の取材の記録(LOG)をたどるコンセプトがわかりにくく、内容が伝わってこない」
「スタジオの必要性が感じられず 演出も目新しさがない」

明らかにコンセプトが番組に出ていない。

番組HPには「ニュースは結論だけではなく、たどりつくまでのプロセスから見えてくる真相もあります」となっている。ところが初回最初の特集で取り上げた「米国トランプ大統領の検証」では、追っかけ続けた記者の「LOG」からは何も浮び上らない。記者も番組演出陣の腕も不十分と言わざるを得ない。

日テレ福田博之社長が記者会見で「まだまだ物足りない」と断ずるのはもっともなことである。

では、今後はどうしたらよいのか。

改善すべきはスタジオとVTRの両方だろう。まずスタジオでは、和久田アナ以外を全て日テレ職員で固めているが、これでは予定調和でハプニングは起こりようがない。同局のバラエティが得意な「熱量」が滲み出ない。

TBS「情報7daysニュースキャスター」では、三谷×安住の丁々発止のやりとりの化学反応が視聴者を惹きつけているように、ハプニングを生むために外の人が不可欠だろう。

VTRも本来日テレは卓越した制作力を持つ。

ところが記者だけで作っているせいか、“走りながら考える”能力に欠け、結果として意外性のある結論や興味深い発見に至っていない。

このあたりを改善すれば、ハプニングにどう対応するのか、予定調和でない結論に何をコメントするのか、和久田アナの新たな一面が引き出され、視聴者を惹きつける番組になるのではないだろうか。

まだ始まってわずか1回で全否定する気はない。

それでもリアルタイムで番組を視聴するか否か、視聴者の眼は厳しくなっている。速やかに番組を魅力的なものに改善し、テレビの力を発揮してもらいたい。

【関連記事】
NHK大河ではとても放送できない…宣教師に「獣より劣ったもの」と書かれた豊臣秀吉のおぞましき性欲
MARCH卒、年収900万円なのに結婚できない理由が詰まっていた…仲人がぴしゃりと叱った婚活男性(36)の一言
どんなに勉強しても偏差値50に届かない…プロ家庭教師が見抜いた「中学受験に向いていない子」4つの特徴
「頭のいい子が育つ家庭」の食卓には出てこない…朝ごはんのパンに塗りがちな「脳に悪影響でしかない食品」とは
2600年前から「付き合ってはいけない人」は決まっている…ブッダが説いた「人生破滅する10タイプ」【2025年5月BEST】