ヤメNHKの成功パターン
以上のいくつかの課題を見ると、ヤメNHKアナの失敗パターンが想起される。
それを浮かび上がらせるために、まず成功パターンを見ておきたい。1985年にフリーとなった草野仁アナ、2018年からフリーの有働由美子アナ、そして3年前にNHKを辞めた武田真一アナである。
草野アナはロス五輪の総合司会を務めるなどNHKのエースアナウンサーだった。
フリー転身後、報道・情報・バラエティと幅広いジャンルで冠番組を持つ「民放の顔」となった。TBS「世界・ふしぎ発見!」、日テレ「ザ・ワイド」などだ。元NHKエースながら、民放バラエティで見せる「親しみやすさ」が視聴者に支持された。さらに筋肉隆々という意外性も「いじられ役」としてNHKの壁を壊した。
堅苦しいイメージを良い意味で裏切る柔軟性が勝因だったのである。
武田アナも日テレ「DayDay.」などで活躍している。
NHKで見せていた誠実・温かみ・信頼感が受けたことに加え、慣れないバラエティで一生懸命に立ち振る舞う姿が「ギャップ」として人気の素となった。NHK的要素に付加価値が加わって成功した。
有働由美子アナは言うまでもない活躍ぶりだ。
最大の要因は「本音をさらけ出す親近感」だろう。NHK時代にも「脇汗」も見せる自己開示で有名だったが、多くの現場を踏んだ経験から大物タレントとも渡り合う「回しの技術」が卓越していた。
以上のようにヤメNHKアナの成功例には共通点がある。
NHK時代の強みを発揮すると同時に、プラスαの要素を繰り出している点だ。格式高い技術を持ちつつ、それを笑いに変えられる柔軟性やアドリブ力が「勝負の分かれ目」だったのである。

