銀行ですら金の流れが分からない

成田の白タクは、氷山の一角にすぎない。中国系決済アプリを通じて、各国の法規制の網をすり抜ける「影の経済圏」が広がりつつある。

その影響は大きい。中国の英字経済メディア、財新グローバルは東南アジアと日本において、中国人による海外決済の50%超を、ウィーチャットペイとアリペイのQRコード決済が占めていると伝える。中国で全国展開する民間銀行の一種、株式制商業銀行のクレジットカード部門に勤める行員の証言だという。受け入れ店舗はアジア以外でも、アメリカや欧州にまで広がりつつある。

この巨大な決済圏の基盤となっているのが、「クローズドループ型」と呼ばれる決済モデルだ。ウィーチャットペイとアリペイは、中国国内で従来型の銀行インフラに依存することなく、急速に普及した。決済の受付から実際の資金移動まで自社のシステム内で処理し、取引情報を外部の銀行ネットワークには原則として開示しない。