強引に進めれば、絶対に禍根が残る
もう一つ、崇仁さま、喜久子さまの考えを読んで感じたことは、「率直に語れる皇族方が存在した」ことへの驚きだ。「天皇は国政に関する権能を有しない」と定めた憲法下、SNS社会はどんどん加速している。お二人という存在が奇跡のように感じられる。
その中で何とか本音のようなものを語ろうとしているのが、秋篠宮さまだと思う。「天皇家の次男」として意識的にそうしていると、毎年のお誕生日会見のたびに感じる。
2024年のお誕生日会見〔秋篠宮皇嗣殿下お誕生日に際し(令和6年)〕で出た「皇族は生身の人間」という言葉もそうだ。
2025年の会見〔秋篠宮皇嗣殿下お誕生日に際し(令和7年)〕では公的活動の担い手の減少について、「その状況を変えるのは、今のシステムではできません」と述べた。宮内庁や国会への歯がゆい思い、皇族であることの苦しさ。精一杯の吐露ではないだろうか。
最後にもう一度、国会の話を。衆院では自民が3分の2を超えるが、参院は与党が過半数を割る。今後の行方は見通せないが、森議長は強気だ。4月15日の協議の終了後、中道改革連合へ1カ月をめどに見解をまとめるよう求めたという。
ダメな生徒への宿題だな、と思う。気がかりなのが、当の先生が校長&副校長の顔色ばかりうかがっているように見えることだ。国民を代表して、森議長にこう言いたい。「崇仁さまと喜久子さまの文書をきちんと読んで。絶対、試験に出るから」。「男系男子専用道路」を強引に進めれば、絶対に禍根が残る。
注
・崇仁さまの文書は、日本経済新聞が2016年11月3日にWeb版で公開した全文に依拠した
参考文献
・日本経済新聞「三笠宮さまの意見書全文」
・「新憲法と皇室典範改正案要綱(案)」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A06050052300、昭和二十一年・配付案(国立公文書館)
・中央公論新社『婦人公論』(2002年1月22日号)

