全身をフル稼働させる「最高の運動」

最高の運動 フルバーピー

「バーピー」という名前は、実は人の名前です。アメリカの生理学者ロイヤル・H・バーピー博士が、1930年代に一般人の体力を簡単に評価するためのテストとして考案しました。もともとの目的は、短時間で、誰でも、特別な器具なしで、心肺機能と全身の動きを評価すること。

原型は「立つ→しゃがむ→脚を後ろに伸ばしてプランク→脚を戻す→立つ」という、ジャンプもプッシュアップ(腕立て伏せ)もないオリジナル・バーピーでした。

最高の運動 フルバーピー
出典=『体力おばけへの道 超ハードモード編』(KADOKAWA)
4つの動きに運動の基本動作がすべて詰め込まれている

その後、体力テストとして広まり、やがてフィットネスの現場に取り入れられました。

現代ではさらにジャンプとプッシュアップが加わり、フルバーピーとして「最も嫌われ、そして最も効果的な自重トレーニング」の一つになりました。

フルバーピーは、次の動作を一気にこなします。

●立つ・しゃがむ(スクワット動作:下半身・股関節)
●手で支える(肩・胸・体幹の安定)
●プッシュアップ(上半身の筋力)
●ジャンプ(瞬発力・跳躍力・下肢パワー)

つまり、人間の基本動作がほぼ全部入りの全身運動です。重心が大きく上下し、多関節の曲げ伸ばしが連鎖し、心拍数が一気に上がる。超HIITが求める「短時間・高心拍・全身動員」の条件を、自重だけで満たしやすい代表例がフルバーピーです。

「回数」よりも「強度」が重要

さらに現場では、バーピーは「筋力トレーニングと呼吸循環負荷を同時にねじ込める種目」として扱われます。限られた時間で、筋力・心肺持久力・瞬発力・敏捷性・バランスまで、一度に刺激を入れたいときに有効です。

超HIITで重要なのは「何回やったか」ではありません。どの強度を、どの姿勢で、どれだけ成立させたかです。本書では、次の順で強度を上げていきます。

1 フォームの成立(まず20秒を正確に)
2 速度の向上(ゆっくり丁寧速く)
3 セット数の増加(1→2→3)
4 インターバル短縮(30秒→20秒→10秒)

回数や秒数を追いかける前に、「崩れずに動き続けられているか」を最優先してください。一つの目安として、動作の途中を写真に撮られても、姿勢が破綻せず、無理な力みが見えないかを確認してみてください。写真で崩れていない動きは、実際にも成立している可能性が高いです。