幅+高さ+奥行きの計100cmで6600円

メニューは送るモノの大きさごとに、レターサイズから段ボールサイズまで取り揃えている。たとえば、少し大きめのぬいぐるみを数体送るなら、「ボックス100」という6600円のパックを購入するのがちょうどいい。宅配便用の伝票等が入ったキットが届くので、幅+高さ+奥行きで合計100センチまでの段ボールにぬいぐるみと申込書を入れ、伝票を貼って送ればいい。後は所定のスケジュールに従って、提携先の神社で祈禱とお焚き上げを施してくれる。儀式の様子は動画で確認でき、すべて済んだ後はお焚き上げ証明書が発行されるという流れだ。

「 みんなのお焚き上げ」のアマゾン販売ページ
「 みんなのお焚き上げ」のアマゾン販売ページ(出所=『それ、死後もお宝ですか?』)

代表取締役の山盛潤さんによると、依頼は2025年12月までに注文ベースで4万5000件に上り、依頼ペースは緩やかに上昇傾向にあるという。利用者の約7割が女性で、年代別のボリュームゾーンは30~50代。このあたりの傾向はサービス開始時から大きく変化していないそうだ。この男女比と年代比は、先の明治神宮人形感謝祭を見物したときもだいたい同じくらいだと感じた。大切にしてきた持ち物を丁重に手放したいと考える中心層に届いているのだろう。

人々が燃やしてほしいモノ

一方で、注文が多いタイプは徐々に大型化しており、レタータイプよりボックスタイプが支持を集めているとのことだ。

モノの来歴でみると、家族の遺品よりも、依頼者が所有していた思い出の品が多いという。具体的にはお守りや人形、写真アルバムや手紙、財布や鞄などが定番だが、近年はそこに亡くなったペットの着物やオモチャ、さらにはアクリルスタンドや装飾うちわといった〝推し活〟グッズも加わるようになってきたそうだ。

これはごく自然なトレンドだと思えた。ペットが使っていたモノを供養したり形見を大切にしたりする価値観は、終活ブームと時を同じくして市民権を得てきたところがある。それでも人間と同等の供養を求める人ばかりではなく、ちょうどいい具合の儀式性を有するサービスの需要が増えているのではないか。

また、“推し活”はまさしく愛着を楽しむ営みであり、多くは公共性を気にせずに自己完結できる。愛着に終止符を打つ儀式も自分のために行えばいい。となると、「みんなのお焚き上げ」のカジュアルさと、それでいて伝統的な儀式に結びついている具合が、現代人の心にちょうどフィットするように思える。

ウェットな感情にも、その度合いの深さや周囲への配慮の必要性などがいろいろあるわけで、それぞれの状況に合ったちょうどいい具合のお別れサービスが求められているのだろう。