派遣スタッフと派遣僧侶の打ち合わせ
「式場に入場される際、参列者の方々はお座りいただいていてよろしいでしょうか?」
「結構です」
「ご紹介は“××宗東法院ご住職”でよろしいですね?」
「はい、結構です。ところで今回は何人参列されますか」
「ご葬家含めて8名から10名くらいだと思います」
「では、読経時間は告別式30分、初七日(※6)10分ほどでよろしいでしょうか?」
「はい、それでよろしくお願いします」
「焼香開始のタイミングはおまかせします」
戒名を墨書した紙(白木位牌に貼り付ける)を手渡し、“派遣僧侶”と“派遣スタッフ”の打ち合わせは終わった。
※6 初七日
亡くなった日を1日目として数え、7日目に行なう最初の追善供養の法要。本来は7日目に行なわれるが、近年は遺族の負担を減らすため、葬儀・告別式と同じ日に「(繰り上げ)初七日」として一緒に営まれる。
1時間でも精魂尽き果てる「ハードワーク」
おおよそ1時間ほどかけて式を執り行なうと火葬場に移動し、火葬炉前で最後の読経。喪主にあいさつして火葬場をあとにする。
時計の針は午後1時を回ったところだ。
斎場近くで食事をしていて、葬家の誰かとバッタリなどというわけにはいかないので、クルマで15分ほど移動し、目についたファミリーレストランで昼食をとる。きのことホウレンソウのクリームパスタ850円。手元のタブレットで注文し、ドリンクバーとスープを付けようか迷ってやめる。
今日の仕事はこの1件。月も終わりだというのに、今月引き受けた葬式はわずか3件。フトコロ事情はなかなか厳しく、贅沢はできない。午後2時すぎ、ファミレスを出る。葬儀のあとはクタクタに疲れ果て(※7)、何かをする気にならない。
60歳をすぎてからとくに疲れやすくなった。近所のスーパーに寄り、日用品の買い物だけ済ませるとそのまま荒川区のアパートに戻る。
※7 クタクタに疲れ果て
経を読むだけじゃないかと思う方がいるかもしれないが、故人と遺族に向き合っての読経は思いのほか疲労する。この点で法事より葬儀のほうが圧倒的に疲労感が強い。

