コーヒーで客を集め、ビッグマックで稼ぐ
会長兼社長兼CEO
原田泳幸氏
最近、社内で「マーケティング大学」を始めました。20代の若手社員を中心に、私が講師となって、商売のイロハを教えるというものです。1回、2時間。教科書やテーマはありません。いろいろな事例を取り上げて、我々のビジネスに置き換えるとどうなるのか、話し合う講座です。
たとえば、どの企業にも「金のなる木」と呼ぶべき稼ぎ頭の商品があります。英語で「キャッシュ・カウ(Cash Cow)」といいます。マクドナルドのそれは何か。ビッグマックです。利益を生むキャッシュ・カウを、もっと大きなキャッシュ・カウにするにはどうすべきか。投資の配分を考えるうえで、最も重要なポイントです。
でもビッグマックへの広告宣伝はしていない。マーケティングの予算が割かれているのは新規メニューに対してばかりです。大事なキャッシュ・カウへの投資はどうなっているのか――。
つまり、ビッグマックの売り上げを高めるためのプロモーションをもっと積極的にやれということです。2008年にクオリティを大きく高めた「プレミアムローストコーヒー」を100円で発売しました。これはコーヒーを呼び水にしてビッグマックを買ってもらおうとの狙いからです。ですから、私は「マーケティング大学」で、こう問いかけました。
「プレミアムコーヒーを開発したのは、新しいマーケットをつくるためじゃないよな。コーヒーを飲みにきた人に、ビッグマックを食べてもらうためだよな。じゃ、その確率はどれくらいなの?」
こうして、マーケティングの基礎、セールスの基礎を教えていきます。
人を育てることは、マクドナルドのビジネスにとって、1番大きな基礎になっています。ハンバーガーは誰にでも1個は作れるものです。しかし、同じ品質、同じ工程、同じスピードで、毎日数百万個を提供することは、普通ではできません。
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