大切なのは、「自分が楽しいか否か」
そして、数カ月後に再び会ったとき、その男性の雰囲気はまるで別人のように明るくなっていたのです。
「先生、毎日が楽しくて仕方がありません。次はどこへ行こうかと考えるだけでワクワクするんです」
そう言って、うれしそうに鉄道写真を見せてくれました。
注目すべきは、その男性の認知機能も明らかに改善していたことです。撮影場所を調べ、時間を計画し、カメラを操作し、写真を整理する……。これらの作業はすべて、前頭葉を使う活動です。
ところが、本人は「脳を鍛えている」という意識はまったくありません。ただ楽しいからやっているだけなのです。
ここに大きなポイントがあります。
脳にとって非常に効果的な刺激は、「楽しい」と感じる活動です。義務感でやることは、長続きしませんし、脳への刺激も弱くなります。その反面、楽しいことは自然と続きます。続くからこそ、脳も活性化し続けるのです。
趣味は、下手でも一向にかまいませんし、他人から見て価値があるかどうかも関係ありません。大切なのは、「自分が楽しいか否か」だけなのです。
定年後の人生は、「やるべきこと」よりも、「やりたいこと」を優先すべき。自分の楽しみを中心に生活することによって、自然と老いない、ボケない人生を歩めるようになるのです。


