「待たせてごめんね」は今一歩
志村けんさんは遅刻を避けるため、約束の1時間前には集合場所にいるのがルーティーンだったそうです。理由は“一日の始まりを「すみません」にしたくなかったから”。たしかに謝ることで心をすりへらすのは、もったいないですよね。
とはいえ遅れてしまうことは誰にだってあります。そんなとき、どんな言葉を選べばよいのでしょうか。
「待たせてごめんね」はマナーとして正しいと言えるでしょう。ただ、「ごめん」は、自分の罪悪感を相手に渡す言葉でもあります。言われた側は「いいよ、いいよ」とフォローする役を引き受けることになる。つまり、待たされた側がさらに気を使うことになり、そちらの負担が二重になってしまうのです。
そこでご提案したいのが「待っててくれてありがとう」です。この言葉は同じ事実を“感謝”に変換しています。待った側は「自分のしたことが肯定された」と感じられ、フォローする必要がないので、会話がスムーズに始まります。
もちろん遅刻は遅刻ですし、丁寧なお詫びが必要な場面もあります。でも「ごめん」のあとに「待っててくれてありがとう」とひと言添えるだけで、空気はふっとやわらぎます。それだけで、一日の会話を少し前向きに始めることができますよ。



