あらゆる心理的形質には大きな遺伝的影響

でもこの調査から、いまでは時代の空気が十分に変化しているために、そうした苦労をしなくてもいいことがわかった。もうすでに大半の人が、心理的形質にはDNAが関係していることを受け容れているのだ。ただし、その影響を低く見積もりすぎていることもわかった。

書影
ロバート・プロミン(著)、田中文(訳)『こころは遺伝する』(河出書房新社)

時代の空気についての私の読みが正しいことを願っている。もしまちがっているなら、膨大な量の研究結果を吟味しなければならないからだ。

なにしろ、これまでに何万件もの研究がおこなわれており、過去5年のあいだだけでもじつに2万本以上の論文が発表されているのだ(8)。とはいえ、そうした研究についてここで要約しても退屈だろう。心理学のどの分野でも結論は概ね同じなのだから。

その結論とは、図表1で示したように、あらゆる心理的形質は遺伝の影響を大きく受けており、遺伝率の平均はおよそ50%だというものだ。

遺伝的影響はあまりに広いため、これは「行動遺伝学の第一原則」と呼ばれている(9)。つまり「あらゆる心理的形質には有意で大きな遺伝的影響がある」という原則である。

※本文中の原註は本記事では省略しています。詳細は『こころは遺伝する』書籍をご参照ください。

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