家賃が払えなくなるかもという大きな不安
今後の住まいに不安があるという回答は、正規職で46%、非正規職では68%と大きな違いが見られた。なかでも、家賃を払えなくなることを不安に感じるという回答が最も多いが、これも正規職で30.8%なのに対して、非正規職では46.1%と格差があった。
正規雇用と比較して非正規雇用では、契約を打ち切られたり、病気などで働けなくなった場合に保障がなく、収入が途絶えるリスクもある。また、不動産会社からの更新拒絶、転居することになっても初期費用が工面できない、保証人がいないという項目についても非正規職の回答割合の高さが目立った。
筆者がインタビューした40代フリーランスの女性は、コロナ禍で仕事がなくなり、しばらくは貯蓄でしのいだが、いよいよ家賃が支払えなくなった。オーナーが柔軟に対応してくれたため一時は難を逃れたが、生活の立て直しが思うようにいかず、地方の実家へ帰ることを検討していた。
しかし、兄家族と同居する母親から「お互い生活しづらくなる。実家の近くに安いアパートを借りてくれないか」と打診され、頼れる場所もないと落ち込んでいた。
50代で退去を迫られ、次の家が見つからない
契約の更新を拒絶されたというケースもある。非正規職に従事する50代の女性は、オーナーが代替わりしたとたん、建て替えを理由に退去を迫られていた。確かにその女性が住んでいたのは築古物件だったが、立地のわりに家賃が安く助かっていたという。
立ち退き費用が支給されても、家賃が上がることはもとより、非正規職であることや年齢を理由に次の住宅が見つからないと嘆いていた。
一方、建て替えなどで公営住宅からの立ち退きが必要な場合には、事前に居住者向けの説明会が開催され、建て替え期間の一時的な居所と建て替え後の住宅が保障されるほか、引っ越しのための費用の補助も受けられる。賃貸住宅と一口に言っても、公的賃貸住宅と民間賃貸住宅では、保障の程度が大きく異なるということも注目に値する。
最後に、一人暮らしの不安について、病気になったときに看病や食料の運搬などで頼れる相手がいるかを尋ねた。その結果、約半数が頼れる相手が「いない」と回答しており、その割合は女性(46%)よりも男性(60%)で高い割合を示していた。さらに、「いる」という回答のほとんどが、親やきょうだいなどの親族で、近所の人などは2%と低かった。
自由回答欄にも、「都会だと近所づきあいもないので、何かあったときに不安」(50代前半、女性)といった声のほか、40代後半女性や50代後半男性からも「孤独死が不安」「孤独死は覚悟しているが、発見までに日にちが経ってしまったら、事故物件になってしまうのかと不安」という声が挙がっていた。

