季節の変わり目になると調子を崩す人が増える。身体にはどんな変化が起きているのか。精神科医・産業医の奥田弘美さんは「自律神経系への負担に加え、社会的役割の変化があると過緊張になってしまう。特に3月~4月は要注意だ」という――。(第1回)

※本稿は、奥田弘美『それ、すべて過緊張です。』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

桜
写真=iStock.com/ooyoo
「3月~4月」は要注意(※写真はイメージです)

「3月~4月」は要注意

あらゆる変化はストレスの原因になります。

このことを理解していないと、無意識のうちに過緊張が起こってしまうことがよくあります。

「過緊張とは、自律神経系の交感神経が、ストレスにより過度に緊張し続ける状態のこと。

過緊張になると、イライラや不安感が高まり、夜になってもリラックスできず気が休まらない、気になることが繰り返し浮かび寝付けないなど、不快な症状が発生し、長引くと心身の不調に発展することがあります。

特に注意したいのが、3月~4月にかけての時期です。

この時期は、入学・卒業、就職、異動、引っ越し、組織やグループの人員の入れ替えなどの社会的変化が非常に多発する時期です。

ほとんどの会社組織が、3月末で期末を迎え、4月から新期がスタートとなります。それに合わせてグループの再編や異動が行われます。

自分が異動になって新たな部署での仕事がスタートする場合は、仕事や人間関係に慣れるまで、当然ながらハイレベルの緊張状態が続きます。自分が異動にならなくても、周りの上司や部下が異動になって慣れ親しんだ人がいなくなったり、新たな同僚や上司との付き合いが始まったりします。自分の周りの人間関係の変化も、大きな緊張が伴います。

春先~6月にかけてメンタル不調が発生しやすい

さらに加えて、日本は学校関係がすべて3月卒業&4月入学、4月から新学期スタートのシステムで動いています。子供を持つ人たちは、プライベートでも子供関係の行事が多発し、通常より多忙になり、気を張る時間が多くなってしまいます。

お子さんがいない人にとっても、地元コミュニティーや趣味関係のグループの役員交代が3月末に行われて抜擢ばってきされたりすると、新たな活動が加わることがあります。

職場での変化による緊張に加え、プライベートの生活リズムが変化すると、心と身体の休息時間が十分に取れなくなり、過緊張による疲れが知らず知らずのうちに蓄積していってしまいます。

こうした社会的変化に加えて、3月4月は、季節の変わり目で、日々の気温差が非常に激しい時期であり、ただでさえ自律神経系に負担がかかっている時期でもあります。

自律神経系は、血流や汗や筋肉の緊張を変化させて体温の調節を行っています。気温差が5度以上ある「季節の変わり目」の時期は、通常よりも自律神経系にとって仕事が増えるため、調子が乱れやすくなるのです。

日本の3月~4月は、社会的イベント、行事が目白押しで過緊張が発生しやすく、かつ、目まぐるしく気温や天気が不安定となるため、この時期から6月ごろにかけては、自律神経失調症やメンタル不調が発生しやすくなる代表的な時期といえるでしょう。