評価基準を明確にし説明責任を果たす
【木村】「では、どうすればプロセスを公正にできるんでしょうか」
【教授】「まずは評価基準を明文化し、誰でも理解できる形で共有することだ。『成果の質』『チームへの貢献』『改善提案の実行度』といった軸を明示し、同じ基準を全員に適用する。そして、評価の過程で本人の意見を述べる機会を設ける。これだけでも『一方的に決められたのではない』と感じられる」
【木村】「確かに、今の評価会議は上層部だけで閉じていて、部下には結果しか伝えていません。彼らからすれば“何をどう頑張れば良いのか”が見えず、不信感につながっていたのかもしれません」
【教授】「さらにフィードバックを形式的に終わらせないことだ。『なぜこの評価なのか』『どうすれば次に上げられるのか』を具体的に伝える。説明責任を果たすことで、たとえ厳しい評価でも人は受け入れやすくなる」
【木村】「先生の話を聞いて、だんだん見えてきました。うちの離職の原因は給与の額そのものではなく、プロセスの不透明さだったのかもしれません。僕は数字ばかり見て『待遇は悪くない』と安心していましたが、部下の視点では“どう決まっているのかわからない”ことが最大の不満だったんですね」
公平さを提示し続けて信頼関係を築く
【教授】「その気づきは大きい。公正さは一度ルールを作れば終わりではない。状況に応じて基準を見直し、透明性を維持し続ける努力が必要だ。手を抜けば、すぐに『またブラックボックスに戻った』と受け止められる」
【木村】「確かに……。僕は一度制度を導入すれば安心だと思っていました。でも、公正さは継続的に示し続けてこそ信頼につながるんですね」
【教授】「その通り。制度は枠組みであり、信頼は日々の実践の積み重ねだ」
【木村】「わかりました。次の評価面談から、必ず『なぜこの評価なのか』を具体的に伝えます。そして制度そのものも見直し、全員に一貫して適用できる仕組みを整えます。プロセスを透明にすることこそ、部下を守り、組織を強くする道だと理解しました」
【教授】「その姿勢を持ち続ければ、部下は『自分は大切に扱われている』と実感する。信頼が積み上がれば、不満は減り、離職も自然と抑えられるだろう」
【木村】「はい。たとえ厳しい判断を下す場面でも、プロセスの透明性を徹底します。公正さを仕組みに根づかせるマネージャーとして、チームを支えていきます!」


