貯蓄型保険は「お得感」を演出しているだけ
【大橋】先生、保険の経費率の高さを否定してますが、貯蓄型保険ならいいんじゃないですか? 減らないで、さらに保険の機能がついてるんだから。
保障を得ながら貯蓄もできる保険。万一のときに保障があるだけでなく、満期時や解約時には、お金が受け取れる。
【橘】「貯蓄型保険で資産形成を始めました」というのは、「宝くじで貯金しています」と言っているのと同じですね。貯蓄型保険であっても宝くじですから。
【大橋】どうして貯蓄型保険も宝くじなんですか? 何もなかったら、払った分が戻ってくるんですよ。宝くじとは違うじゃないですか?
【橘】貯蓄型保険とは、何かあったときに保障してもらう「保険」(=宝くじ)と、お金を増やす「投資商品」が組み合わさったものです。
「保険」の部分については、貯蓄型保険であっても、先ほども言ったとおり、経費率が非常に高いです(図表3)。
【大橋】でも、僕が加入を検討している貯蓄型保険は0.5%くらいの金利がつくらしいですよ。
銀行に預けているより金利が高いし、さらに保険の機能もついているのだから得じゃないですか?
株式インデックス投資の方がよほど効果的
【橘】保険会社も自分のところの商品を魅力的に見せなければならないのでいろいろ努力しているでしょうが、いまでは元本保証の「個人向け国債」でも金利が1%を超えています。利回り0.5%がけっして有利というわけではありません。
そのうえ長期のデータでは、保険による貯蓄は株式のインデックス投資のパフォーマンスを大きく下回っていて、さらに途中解約できないので、何十年も資金を拘束されます。
※貯蓄型保険は、お金が必要になったときに、現金化するとペナルティが発生しますが、インデックスファンドならいつでも売れて現金にできます。
【橘】さらに、投資性の高いものだと「貯蓄」の部分からも、年間1.5~2%程度の手数料が徴収されています。
インデックスファンドの手数料が0.1%以下だったことを思い出してください。
このように保険会社は、「損をしたくない」という人間の心理を利用して、「お得感」を出し、ふたつの保険から手数料を徴収しているのです。
生命保険の加入者に医療保険やがん保険なども加入させて、一人の顧客からできるだけたくさんの保険料を受け取るのが保険ビジネスの基本です。
【大橋】貯蓄型保険より、掛け捨て保険のほうがいいんですか?
【橘】はい。掛け捨ての保険は損をするような気がしますが、貯蓄型保険にも掛け捨て部分はあり、それが見えにくくなって、商品の魅力が増したように感じます。
保険会社はお金を失いたくないという「直感」を利用しているのです。




