記憶は悪い勉強法…とは限らない
もちろんデータを記憶せずとも、逐一、過去のデータを引っ張り出してくれば、比較することはできる。しかし、いちいちそんなことをしていては、時間がいくらあっても足りない。結局、「記憶をしていない=比較対象を持たない」人の目にとって、たいていのデータはただの数字の羅列に過ぎないのだ。
昨今、「詰め込み式・暗記中心の勉強はよくない」という意見をよく聞く。そして天才は暗記ではなく、直感や論理によってすべての問題を解決してきたと思われがちだ。何かを暗記することが、論理的思考と真逆の位置にあるという思い込みが、私たちの中にはあるのだろう。
だが、『Fortune』誌の編集長だったジョフ・コルヴァンは、著書『究極の鍛錬』(サンマーク出版)で、「自分の専門分野について多くの知識を持つ人が、より大きい成果を出す」という研究結果を多数紹介している。
その理由は、バフェットを例に出したように、多くの知識やデータを記憶していれば、それを利用してより高次元な思考を行うことができるからだ。
自分が作成したプログラムをすべて暗記したゲイツや、その日に自分が打ったショットをすべて記憶していたプロゴルファーのジャック・ニクラウスなど、似た事例は数知れない。
「暗記は悪い勉強法だ」という間違った観念に執着せず、自分の仕事と関係のある情報はできる限り記憶するように努力してみれば、仕事力がアップする実感が得られるはずだ。


