なぜいくら勉強しても英語が話せるようにならないのか。大学や企業で英語を教える濱崎潤之輔さんは「いくら英単語を覚えても話せるようにはならない。英語を使いこなすには、中学1年で学んだ『3語の文』を口にすることから始めてほしい」という――。(第1回)

※本稿は、濱崎潤之輔『中学英語でつまずいた人が読む本』(日経BP)の一部を再編集したものです。

海外のビジネスマンがオフィスに赴任
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英語を読み書きできるのに「話せない」ワケ

英語をやり直そうと思ったとき、多くの人が最初にぶつかるのが「話せない」という壁です。英文を読むのはある程度できる。リスニングも、ゆっくりした音声ならなんとか聞き取れる。でも、いざ自分の言葉で英語を話そうとすると口が動かない。

この瞬間に「自分には才能がないのかも」と感じてしまう人が本当に多いのです。しかし、それは違います。英語が口から出てこないのは、才能や年齢のせいではありません。それは「やり方」を知らないだけなのです。英語の正しい話し方を知らないまま努力してもうまくいかないだけということです。

つまり、裏を返せば、やり方を変えるだけで誰でも話せるようになるのです。英語について「頭では分かるのに口から出ない」と感じるのは、能力の問題ではなく、練習の方向性が偏っているからです。

英語を声に出す習慣を始めた人たちは、みな口をそろえて「前より英語を話せるようになった」と言います。

語彙力よりも重要なこと

例えば、ある営業職の男性は、最初は“Yes.”(はい)しか言えませんでした。けれども、毎日“I'll do it.”(私がそれをやります)、“I'll check it.”(私がそれを確認します)と声に出す練習を続けたところ、1カ月後には“I'll check it now.”(今すぐ確認します)と自然に口から出るようになったといいます。

また、ある育児中の女性は、家事の合間に“I'm tired.”(疲れています)、“I'm hungry.”(おなかがすいています)のような、短い英文をつぶやくだけの練習を続けていました。すると、数週間後には旅行先のレストランで思わず“I'd like this.”(これをいただきたいです)と、英語のフレーズが出てきたのです。

この2人に共通しているのは、長時間ではなく、毎日、少しずつでも英語を声にしてきたということです。

英語を話せるようにしたのは、知識の量ではなく、声に出すという反復の力でした。英語は勉強ではなく、使ううちに育つものです。さあ、あなたの日々口に出す短い英文も、きっと自信を持って英語を話す力に変わっていきます。

この稿では、頭で考えるよりも先に、英語が自然と口からこぼれ落ちるようになるための工夫を伝授します。毎日少しずつ「声に出す習慣」をつくるための具体的な練習法も併せて紹介します。