人気スマホアプリ・ポケモンGOのプレイヤーが撮影した写真が、意外なところで活躍している。世界中のプレイヤーが知らずに蓄積した300億枚の街の画像が、高層ビルの谷間でGPSより正確に位置を割り出す配達ロボットの「目」になったのだ。遊びのデータが、先端ロボット技術を動かし始めている――。
ポケモンが育てた測位技術
スマホのカメラ越しに捉えた現実世界に、生き生きとしたポケモンが姿を現す人気アプリの「ポケモンGO(Pokémon GO)」。
散歩中に出現するポケモンを捕まえたり、同じ場所を訪れたユーザーとのバトルに挑んだり、旅行先の名所に仕掛けられたアイテム入手スポットを巡ったりと、現実世界のマップと連動したプレイを楽しむ位置情報ベースのゲームアプリだ。
世界中にファンが存在し、公式情報を確認できる2019年の時点ですでに、累計ダウンロード数は10億回を突破している。
実はこうした膨大なユーザーが街角でピカチュウを追いかけるたび、スマートフォンのカメラが捉えた世界の風景が、運営する米ナイアンティック社のデータベースを育て上げてきた。その画像が今、ピザを届ける配達ロボットという先端サービスの「目」になろうとしている。
GPSでは配達ロボが迷子になる
ナイアンティックからスピンアウトしたAI企業「ナイアンティック・スペーシャル」は、配達ロボットの米新興企業ココ・ロボティクスと提携。ナイアンティック・スペーシャルのジョン・ハンケCEOは、「ピカチュウを(スマホ画面上で)リアルに走らせることと、ココのロボットを安全かつ正確に(現実世界で)走行させることは、実は同じ問題なのです」と語る。
カリフォルニア州サンディエゴで開催された2016年サンディエゴ・コミコン・インターナショナルで講演を行うジョン・ハンケ(写真=Gage Skidmore/CC-BY-SA-3.0/Wikimedia Commons)

