「こうしなければいけない」という常識や思い込みによって、自分を追い詰めてしまう人は多い。自身もうつ病を経験した精神科医の平光源さんは「常識は本来、自分を守るためにあるもの。自分を苦しめる常識なら、手放してもいい」という――。
※本稿は、平光源『頑張れないんじゃなくて、頑張りすぎただけ』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
「親の反対で結婚できない」
この間、患者さんに結婚の悩みについて相談されました。
お付き合いをスタートさせて3年が経つ。結婚したいが、お互い一人っ子で両親がその姓と家を継ぐことを強く求めているので、結婚を反対されている。そのため結婚できないと悩んでいらっしゃいました。
また、独身女性で他に身寄りがなく、自分が死ぬ前に墓じまいをしなくてはいけないと悩みを打ち明けられたこともありました。自分が結婚できずに、墓を終わらせなくてはいけないことに罪悪感を持っているようでした。
私はこの2人の話を聞いて、「なんともったいない!」と思ってしまいました。
なぜなら、そのカップルとその両親、そして墓じまいに悩む患者さんも、みんな思い込みに支配されていたからです。
200年先への罪悪感?
いまから200年後の日本の人口ってどれぐらいか知っていますか?
なんと、1000万人です。
これは現在の人口のわずか10分の1です。「佐藤」や「鈴木」の姓は残っているでしょうが、多くの姓はなくなっているかもしれません。
例えば日本で稲作が始まったのが、2100年前なのか1900年前なのか、当時を生きた人には超重要な出来事ですが、未来に生きる私たちからしたら200年なんて誤差の範囲です。2226年にどのみちなくなる姓なら、別に2026年になくなってもいいかもしれません。

