再編相次ぐドラッグストアのトップは…

ランキング上位を見渡すと、いくつかキーとなる業態が存在する。

一つが、トップ30までに5社がランクインしたドラッグストア系企業だ。

ドラッグストア業界のトップは、クリエイトSDホールディングスだった。平均年収は1044.3万円で、前年から107.2万円と大幅な減少ながら1000万円台を維持。全体でも2位にランクインした。

同社はドラッグストア・調剤薬局を中心に展開している。しかし、セグメントを見ると稼ぎ頭は「食料品」だ。同社のように、近年は食料品に注力するドラッグストア企業が増加しており、物価高の中で存在感を発揮している。

その他、全体9位にはスギホールディングス(前年比21.2万円増の881.4万円)、同24位にアインホールディングス(同39.5万円増となる748.5万円)などが名を連ねている。2025年12月にウエルシアホールディングスと経営統合し、ドラッグストアチェーンとして日本最大になったツルハホールディングスは前年から91.2万円減で604.3万円(90位)だった。

ドラッグストア業界は近年、上述したウエルシアホールディングスとツルハホールディングスの統合だけでなく、アインホールディングスによるさくら薬局グループの買収(2025年8月)、マツモトキヨシホールディングスとココカラファインの経営統合(2021年10月)など再編の動きが活発であり、今後も年収事情には注目だ。

牛丼御三家「一人勝ち」だった企業

ドラッグストア業界と同じく、上位に多くの企業が名を連ねたのが百貨店だった。

中でもトップは、前年から66.9万円の年収増を果たしたエイチ・ツー・オー リテイリング(全体5位)。三越伊勢丹ホールディングス(前年比39.6万円増の922.8万円で7位)、J.フロント リテイリング(同9.7万円増の815.6万円で17位)などを押さえた。

いまや「国民食」ともいえる牛丼を手掛ける会社では明暗が分かれた。

「吉野家」「松屋」「すき家」の、いわゆる牛丼御三家チェーンを展開している企業のうち、最も平均年収が高かったのはゼンショーホールディングスだ。前年から74.0万円の増加で、816.7万円となった。

牛丼
写真=iStock.com/kuppa_rock
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同社は多角的に外食チェーンを手掛けており、2025年3月期にセグメント別で最も売り上げを稼いだのは、すき家、はま寿司、なか卯を含む「グローバルファストフード」だった。

今年1月にはハンバーガーチェーン「ロッテリア」の全店舗を「ゼッテリア」に転換するとして話題を呼んだことも記憶に新しい。

70万円近くも平均年収を伸ばしたゼンショーホールディングスに対して、吉野家ホールディングス(27位)と松屋フーズホールディングス(44位)は伸び悩んだ。

吉野家ホールディングスは前年からの増加幅がわずか1.9万円(平均年収は738.5万円)だった。松屋フーズホールディングスは同16.2万円増加で674.0万円。

吉野家ホールディングスは「はなまるうどん」、松屋フーズホールディングスは「松のや」「マイカリー食堂」といった牛丼以外の業態を既に展開しているが、最近は他社の買収などでラーメンへのシフトが進んでいる。両社とも依然として牛丼への依存度が高く、米価や円安による輸入牛肉の高騰が続く中、いかに次なる鉱脈を見つけられるかがカギを握りそうだ。

物流・エネルギーコストなどの高騰が相次ぎ消費者の価格に対する目線がシビアになる中、小売業は厳しい対応を迫られている。他業界と比較して低水準の年収事情を底上げできるかは今後も不透明だ。